地震大国といっても過言ではない日本。震災後の為替動向を教えてください。

とても素晴らしい質問ですね。今回は図なども使って少し詳しく説明しましょう。

今後も地震という要因を踏まえての投資も必要になるかもしれませんので、今回の説明も2回に分けて説明したいと思います。

まずは下の震災前後のドル/円の動きを示したチャートです。

忘れもしないあの震災が起きたのは3月11日です。円高と言われていますが、実は震災後には円相場は円安へとシフトしているのです。ここだけを切り取ると「円が売られている」と、通常の有事と同様です。

しかし、なぜ震災後に円高と言われるのか。それはチャートを見て分かるとおり、14日から15日にかけ、急速に為替相場は円高にシフトしているからなのです。

実は14日にあることが行われました。それは日銀では、1日間の会議で日本市場に対する、「買いオペ」を実行することを決定したのです。即日実行以降、連日市場に平均で10兆円を超える資金供給を行ったのです。

理由としては、市場の流動性を高め、被災された方々からの引き出しに耐えるためでした。しかしこれは表向きで、実際には国内企業に対する評価を安定させることで、株価の安定が目的だったのではと思っています。

実際に、買いオペを行って4日目という短期間で株価は下げ止まったのです。