前回のサミットでもテロの話題がありましたが、テロなどが為替に与える影響を教えてください。

かなり大きな影響を与えると言っても過言ではないでしょう。ただし、瞬間的、短期的な影響となる傾向が高いようです。

例えば瞬間的に為替相場に大きな影響を与えたニュースとしては、今おっしゃっていた2001年9月に起きたアメリカでの同時多発テロがあります。パニック的なドル売りとなりました。

こういったこれまでの有事ニュースに対する市場の反応をまとめると、テロ等にあった当事国の通貨は売られます。その一方で買いが入るのが、国際紛争などの影響があまり無いとみられている永世中立国のスイスフランなどです。

また、金などの資源価格の上昇を見越した、資源国オセアニアの通貨にも買いが入る傾向があるようです。

有事による為替相場への影響は、瞬間的な動きが大きく派手になるため目立ちますが、中期的に見ると影響はかなり小さいものに落ち着くようになります。

先ほどのアメリカの同時多発テロの時でも、瞬間的なドル売りは出たものの、翌月にはかなり回復しました。

また、2005年に起きたイギリスでのテロ事件でも、なんと翌営業日には回復していたのです。ただし、当日には大きなポンド売りは発生しました。

そうですね。テロなどの紛争が投資を行うにあたって、それこそバイナリーオプション取引において、2時間後の結果までの間にテロが起こる可能性など不安材料はあります。

しかし、今の先進国において、核爆発などの特殊な要因を除き、テロなどが実体経済という点において与える影響は大きくはないのかもしれません。

何が起こるかわからないのが相場です。しかもこういった有事の場合には常にリスクを限定させる意識を持ち、持っているポジションにストップを入れることが重要になると思います。

また、取引量が減少するため、少しの売買で大きく値がうごくことがあります。そのため、そういった乱交下に惑わされないことです。